台北市・横浜市アーティスト交流プログラム

2009.05.24

2005年横浜市と台北市の都市間交流の開始を契機に、文化芸術による交流事業として開始されたこのプログラム。「文化芸術創造都市(クリエイティブ・シティ)・横浜」の実現と台北市との文化交流を図ることを目的として、それぞれの都市のアーティストの交換/受け入れを行っています。約3ヶ月の長期滞在による作品制作や一般公開事業の開催、地元市民やアーティストとの交流など。これらの活動を通して横浜からの発信性を高めるとともに、芸術創造環境の整備をしています。また対象となるアーティストは、そのキャリアよりも横浜(あるいは台北)に滞在することで有意義な活動ができるかどうか、というような点が重視されるようです。

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BankART Studio NYK(左) 2006年度交換アーティストの陳宛伶さん(右)

2月から横浜に滞在して制作活動を行い、4月12日(日)-19日(日)までBankART Studio NYKにてその成果展を開催中のアーティスト陳宛怜さんと、その滞在・制作・作品展示などの場を提供しているBankART1929のスタッフ渡邉さんにお話を伺いました。

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日本での長期滞在は初めてという陳さん。単に土地を訪れるというだけでなく、そこで生活するということは彼女自身にとって重要な経験になると言います。そのため横浜での生活を通して多くの人と出会い、制作できることはとても嬉しいとのこと。横浜の印象は?という質問に、東京に比べて横浜は静かだしきれいなので好き、と応えてくれました。また彼女は食べることがとても好きで、BankART1929が制作した「食と現代美術」のマップなどを手にいろんなところに出かけていくそうです。

現在制作に使用しているスタジオも見学させていただきました。旧日本郵船湾岸倉庫が建築家集団「みかんぐみ」によってリノベーションされたBankART Studio NYK。その広々としたギャラリー空間の一角に、陳さんが制作を行っているブースがあります。

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壁には横浜市内で撮影された写真をもとにした作品のスタディが貼ってありました。

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同一の場所から異なる時間に車や人を撮影し、上下につなぎ合わせたという不思議な写真。交通の発達によって現代人の移動は飛躍的に「速く」なりましたが、人の身体そのものの動きは依然「遅い」まま。陳さんはその違いに関心を寄せているようです。「都市では様々なものが高速で動いています。でも、自分はゆっくりなまま。横浜に来て、その感覚はよりはっきりしたものになりました。」一連の作品では、彼女の言う「ゆっくり」とした瞬間が、まるで現実とは異なるもう一つの小さな世界のように浮かび上がります。

渡邊さんによると、このプログラムで横浜に滞在したアーティスト達の目的は様々ですが、共通しているのは横浜が文化の重なりを持った都市であるということを強く意識していることだそう。また、2006年に横浜に滞在し現在NYのレジデンスで活躍されている頼さんのように、交換プログラムに参加したアーティストがその後ステップアップしていくことはとても嬉しいことだそうです。

アーティストからの要望を尊重して、展示から街案内までサポートすることもあるBankART1929。交流プログラム以外でもアーティストにスタジオを提供したり、展示を行うほか拠点となるBankART Studio NYKでは Pubの運営も行っています。このPubはアートファンや関係者のコミュニケーションの場所となっており、ここで生まれたコネクションや企画も多くあるそう。

現在BankART Studio NYKは今春のリニューアルに向けて新しいプログラムを企画中。横浜アートシーンの一角を担うスポットの今後の展開にも注目です。

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BankART「かもめ荘」(左) BankART Studio NYK内観(右)

このような充実したサポートと環境のなか、文化都市・横浜に来た台北のアーティストはどんな作品を見せてくれるのでしょうか。陳さんの展示は4月12日から、BankART Studio NYKにて始まります。

※展覧会は終了しましたが、1FのBankART Pubには陳さんの作品1点を見ることができます

Spotリンク
→BankART Studio NYK

→BankART「かもめ荘」(野毛マリヤビル)